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日本の病院にもホスピタリストを

医療

「総合診療医」で効率化 ~医師の働き方改革~

診療体制を大きく見直すことで、医師の「働き方改革」につなげる動きがあります。これまで、病院の基本的な診療は「主治医制」でした。診察や手術、回診など治療に関わる判断を全て行うものですが、医師が別の手術などのために判断に時間がかかってしまうことも起きていました。そこで、導入が進められているのが「総合診療医」です。特に負担が大きいといわれる手術などを担当する医師と役割分担をするもので“手術以外の全て”を担当します。総合診療医は外来患者を最初に診ることで病院や診療所のたらい回しを防止し、さらには病棟での業務全般を担うことによって外科医師は手術に集中できるようになります。また、看護師ではできない判断を行うことで、迅速に患者にも対応できます。東京・板橋区の病院では「総合診療医」の活躍により、より少ない医師の数で手術数を増やすことに成功しています。

板橋中央総合病院では6年前から各専門医とのパイプ役を務める総合診療医が活躍しています。搬送された患者を最初に診てどの専門医に診てもらうべきか判断するほか、入院中の患者の診察や精神的なケアも担います。

総合診療医は「比較的多くの合併症や元々病気を抱えている人は私たちが診た方がいい。病気だけでなく、人として総合的に診られるというのは私たちにとっても魅力的」と語ります。

これにより、手術を行う医師がより手術に集中できるようになり、効率的に患者を診ることができるようになっているということです。整形外科医も「(総合診療医は)非常にありがたい存在。手術件数はおととしは月に多くて60件ぐらいだったが、今では80件ぐらいになった」といいます。

この病院では2019年に個人の都合などにより、整形外科医の人数が10人から5人に半減しましたが、総合診療医を配置した結果、10人の外科医がいた頃より多くの患者を診療できているということです。

この取り組みをしている病院はまだ少ないですがしているところではかなり効果がでています。経営者からしてみれば手術ができる医者を病棟管理に縛り付けるのは意味がわかりません。手術できる医者はずっと手術で高年収。病棟管理は低年収のホスピタリストがやる・・・というのが海外の病院をみてもあたりまえに行われているようです。海外のように過剰な分業はしなくてもいいですが、日本でもこの取り組みが進んでほしいです。外科医も助かりますし、内科医もこういう働き方をしたい人は多いはずです。

ですがこれを阻むのが医局制度。医局所属の内科医が外科医の下請けのような仕事をするわけがありません。医局は多様な働き方を邪魔する存在です。皆が急性期病院で週2回外来を持ち手術をして当直をして学会発表をする必要はないのにこれを強制してきます。さらには学会発表論文投稿です。

 そう、そんな生活は修行僧です。これを耐え抜いた人だけが基幹病院の部長になれますし、教授など大学の要職につくのでしょう。

初期研修医は初めて働く職場が急性期病院になります。そこは異常な環境であり、みなが普通に仕事していたらそこで上に行けるわけではありません。そこにいるのは「生き残り」の人たちなのです。

これが医局の関係ない民間病院ならそんなこともないのです。ホスピタリストを雇って手術件数が増えている病院もありますし、これが正しい姿とも思います。働く場所は自分で選びましょう。

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