BMJより、変形性膝関節症に対する関節内補充療法(ヒアルロン酸等の注入)のメタアナリシス。プラセボと比較し関節内補充療法は、臨床的に重要な差異がなく、むしろ有害であることが決定的であろうという結果でした。https://t.co/jHV6jDZYHV
— コクランジャパン (@CochraneJapan) July 9, 2022
すごいエビデンスが出てきました。いやー今まで当たり前にやってきたことが否定されることってほんと時々出てきますよね。
昔でいう消毒の概念やそれにつながる蒸留水での洗浄は意味がなくて水道水で十分であったこともありますし、最近では健常者のマスクですね。コロナ前まではマスクは風邪を引いている人がつけるものであって健康な人は付ける意味がないとされていましたもの。
で、この論文はなにをいっているのか
軽く読んでみたので羅列していきます。
viscosupplementというのは関節内補充療法のことです。ヒアルロン酸注射のこと
・169の試験21163人のランダム化試験のデータを解析。メタアナリシスですね。
・一次エンドポイントが痛みである24の大規模RCT試験(被験者8997人)では痛みはほんの少し改善であった。100mmVisual Analogue Scaleで-2.0mmの差です。ほぼ誤差ですね
・一方で6462人の被験者の15の大規模なRCTでは関節内注射は、プラセボよりも統計的に有意に高い合併症を引き起こしていた。
有害事象がweb appendixで提供されているのですがかなり長いです。
https://www.bmj.com/highwire/filestream/1071271/field_highwire_adjunct_files/0/pert069722.ww.pdf
感染が多いのかなと思ったのですがinfectionで検索しても出てこず、心血管イベントがあったり、がんや頭痛などこれほんとに有害事象?みたいなものもあります。
次にdiscussionのところ
2009年以降、関節内注射による痛みの軽減はプラセボによる痛みの軽減と臨床的にほぼ同等という強いエビデンスがすで示されている。すでにエビデンスがあったのにそこからさらに同様の試験が行われているのは倫理的にどうなのかと問いかけています。
私としては関節注射のエビデンスはある程度あるものだとおもっていたのでこれは反省せざるを得ません。
常識は日々変わっていきます。アップデートをやめないようにしましょう。
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