美容医療大国・韓国で起き始めた専門医制度の崩壊、日本も対岸の火事では済まない
これは適切な考察がされています。まさに日本は同じ運命を辿ろうとしています。
・韓国では、国民1000人当たりの医師数が2.6人で、経済協力開発機構(OECD)加盟国平均3.7人を下回っている。そのため医師増員が必要とされている。
・政府は2035年の1万5000人近い医師不足に備えて、年間の医学部入学定員を従来の約3000人から約5000人に引き上げる。
・韓国の研修医は週の労働時間制限が88時間で、過酷な労働環境を強いられている。 ・韓国の地方では医師不足が問題になっている。
・特に小児科、産科、救急などの社会にとって必須な分野の医師が不足している。
・韓国の医師の平均収入は約3000万円だが、小児科など診療科によっては低賃金で格差がある。研修医は低賃金に抑えられている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7852ab408dbe94425c3936b27efbcdc354b6812
まさに日本と一緒ですね。保険診療は真面目にやっても稼げず労働時間だけは長い。それなら美容に言ったほうがましとなってみんな抜けていっています。しかもその環境を改善せずに医師の数だけふやすといっているのですから理解はできないでしょう。より低賃金で過酷な労働がまっているだけです。
■ 韓国研修医のトリプルパンチ
●怒りのポイント1「レジデントの過酷な労働条件」 韓国で専門資格を取るために4年間の研修を受けるレジデントは過酷な労働に直面している。初年度で週100時間を超える労働も強いられ、1日平均14時間以上働く。給与は月40万円程度。労働の厳しさと見合わない条件に不満を抱えている。
●怒りのポイント2「経済的な矛盾」 美容医療に携わる一般医のほうが、高い収入を得やすい矛盾がある。専門資格を目指さなくても、専門性のない一般医が美容医療に関われば1年目からレジデントの2倍を超える収入を得ることもできる。国内で専門資格を持つ医師は欠かせないと見なされるが、その担い手は、苦労するほどにむしろ収入が減っていく先細りの状況に陥っている。
●怒りのポイント3「美容医療への偏り」 韓国で美容医療は非常に人気があり、専門資格を持たない一般医も参入している。さらに、希少価値のある専門資格を持った美容医療の医師はさらに有利になる。レジデントの中でも形成外科や皮膚科といった美容医療につながる専門が人気を集め、専門資格に偏りが生じる。バイタル診療科が後回しにされる結果を招き、必要とされる専門医の不足を招いている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7852ab408dbe94425c3936b27efbcdc354b6812
日本も専門医をばかにするような政策がどんどん進められています。収入は全く増えず、より厳しい症例ばかりを担当することになり、専門医維持のために論文執筆学会発表など自己研鑽がかかせません。
いまでも収入は一般的な医師より低いですがこれからさらに診療報酬を削減していくので収入が増えることはないでしょう。逆に保険診療から抜け出したところでは完全に自由な値段設定により世間のインフレについて行って正しい報酬が得られるのです。
政府がやるべきことは完全に逆で
・医師の数を適度に制限
・専門医資格、実績に応じて診療報酬アップ、患者負担もアップ
ではないでしょうか?とくに日本では患者負担がなさすぎてモラルハザードが起きています。教授が手術しても研修医が手術しても同じ値段(教授の技術が高いとは限りませんが)なのは意味不明です。
日本は一応医師数はいまの医学部定員で上限にしてやっていくようですが、専門医にインセンティブをつけることはしないようです。専門医のメリットは活かせぬままおわるのでしょうか。
また私が考えているのは「保険でできることをあえて自費でやる」病院が増えるだろうということです。もちろん自費のほうが値段が高くて高度なサービス(医療ではなく接遇とか食事で)を受けれる仕組みです。お金持ちはやすさなんて求めていません。早く快適に正しい医療をしてもらえればそれでいいわけなので需要はあるでしょう。外国人相手にそれをやってもいいですし。
とにかくこのままでは韓国のようになるのは目に見えています。それをギリギリで繋ぎ止めているのが医局制度なんでしょうか?韓国にも医局制度があるのかは知りませんが・・・
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