反省症例?です。
近医開業医や大病院を何箇所も回って診断がつかず当院に紹介された70代女性、主訴は全身の筋肉痛でした。
初診から当院にたどり着くまで内科や整形外科などいろんな病院で血液検査やらレントゲンやらをされて3ヶ月、当院初診時には大体の情報がそろっていました。
主訴、病歴、血液検査、レントゲンをみて患者さんが入室する前から確信がありました。「リウマチ性多発筋痛症」だと。
実際診察してみるとさらに確信が深まります。
さらっと全身動かしてみて「これはリウマチ性多発筋痛症っていう病気の可能性が高いですね」と言ったことがすべての始まり。
患者さんは娘さんと一緒にきていましたが一瞬で診断名をいわれて困惑。
「どうしてわかるんですか?」「なんで追加の検査はいらないんですか」「いままで何人の医者にも見てもらいましたが全くわからなかったのに」と不信感たっぷりに疑問をぶつけてきます。
いままでの経過がすべてを物語っていると話すも信用を得られず。そりゃそうです。まだ会って5分も経っていないのですから。
結局なんとか説得してプレドニンの内服を開始。プレドニンの副作用もかなり説明したのでそれでも不審がられました。いきなり診断がついて副作用の強い薬をだされるのですから。この人だけで40分くらい時間を使ってしまいました。
念の為膠原病内科へ紹介。側頭動脈炎や悪性疾患の合併はなくそのまま膠原病内科でフォローされています。
結果的には良かったのですが、こういう場合どうすれば良かったのでしょう・・・?
関係ないですがリウマチはこの本おすすめです。