脛骨高原骨折の不顕性骨折

初診時のレントゲンでははっきりしない骨折のことを不顕性骨折といいます。

脛骨でこのような症例を経験したので載せます(画像は患者さんに名前を出さないというもとで許可をもらっています)

・70歳女性

自転車で転倒し右膝痛で搬送されました。あまり痛がっておらず水腫もなく可動域制限もありません。レントゲンで脛骨顆間隆起骨折を認めたのでCTを撮影してみました

(画像は削除しました)

↑レントゲンでは顆間隆起骨折です
(画像は削除しました)

↑CTで見ると内側に骨折線がありますが他のスライスでは認めません。骨折がつながっているかどうかは成長軟骨部分の名残でよくわかりません
(画像は削除しました)

↑免荷ニーブレース固定として3週後のレントゲンです。

骨折部がはっきりし内外側にも骨折線があることがわかります。

保存療法を継続し4週から1/3荷重として1週ごとに荷重増加させて後遺症なく可動域もフルで退院されました。

不顕性骨折はたまに遭遇しますがこの患者さんも全然痛くないのにまだ帰れないの!?と最初は不満げでしたが3週目のレントゲンで納得していただけました。

下肢の骨折では免荷が必要なので慎重にリハビリを進めたいところです。

脛骨顆間隆起骨折であれば免荷は必要ないのですが高齢者の外傷でこの部分だけの骨折も変だなと思ってCTを撮ったのが功を奏しました。