よく救急外来の研修医カルテにありがちなのですが、来院時の最初の身体所見や検査結果などを追記に追記を重ねてひとつのカルテにしようとする人がいます。これは間違いです。
主訴:腹痛
〜〜
〜〜
〜〜
CT:異常なし。
血液検査〜〜〜
以上から帰宅可能と判断。処方し帰宅とした。
というのが一つのくくりになっているカルテです。
これはよくありません。何を考えてCTを撮ったのか、血液検査をしたのかがまったくわからないからです。
正解は2段3段とわけて書くことです。
主訴:腹痛
現病歴:昨日から嘔吐腹痛下痢〜〜〜
身体所見:右下腹部に圧痛
体温38度
A:憩室炎や虫垂炎疑う
P:血液検査CT
ここまでが一つのカルテ
そして次に分けて
検査結果:CRP20
CT:虫垂腫大10mm
A:急性虫垂炎
P:外科オンコールに連絡し〜〜〜
となるのが良いカルテです。
追記してしまうと電子カルテなので遡ることは可能ですが、初療医の思考過程がまったくわかりません。
まず血液検査をしてみて異常があったからCTを撮ったのか、CTで異常があったから血液検査したのか、身体所見のどこがおかしかったから検査したのかというのが伝わってこないからです。
また時系列で書くことでリアルタイムに見ているひとにも状況が伝わります。この患者さんはここまで検査済み、などの情報が忙しい救急の他の看護師などに伝わるメリットもあります。
何段にわけてもいいので時系列に書く練習をしましょう。
(追記したらだめということではなく、追記は誤字の訂正などに用いてください)