朝取った採血で追加で測定してほしいものがあるから検査室に聞いてみたらスピッツが違うので取り直してください と言われた経験、研修医1年目にあるんじゃないでしょうか。10ml血液が必要なのにルート採血で6mlしかとれなかった!という際も以下の知識があれば取り直すことなく測定できるかもしれません。
スピッツについても基本的な知識は知っておきましょう。
以下の4つ覚えます。
・CBC(complete blood count)全血、血算
・生化学
・血糖
・凝固
・CBC
白血球、赤血球、血小板を数えるための基本的な血液検査
EDTAの粉が入っているはずです。これで血液が固まるのを防止し、数えることができます。
結果は数分でみることができます。
施設によっては検査技師さんが目視で白血球の形に異常がないかなどを調べます。
最低限1ccあれば検査可能(施設によりますが)
・生化学
ナトリウム、カリウムなどの電解質やアルブミン、尿素窒素などの濃度を図ることができます。こちらは遠心分離して血球を除いた血清を調べています。
スピッツの底に凝固促進剤と呼ばれる半透明のものが1cm程度溜まっているはずです。
スピッツに分注すると数分で固まってしまいますが問題ありません。
どうせ遠心分離するのです。遠心分離してから測定されるため時間がかかります。提出してからおよそ1時間。
検査項目が多ければ血液も多く必要。陰圧が強くかかっているので最後に分注しましょう。
・血糖
こちらも粉が入っています。凝固を防止するフッ化ナトリウムになります。
血糖値やHbA1cをみるのに用いられます。
最低限1mlあれば測定可能
・凝固
PT、APTT、Dダイマー、FDP、AT-3、フィブリノゲンを見るのに使います。
クエン酸ナトリウム(液体)が入っています。これも凝固防止のためです。
このスピッツはかならず線まで採取する必要があります。血の固まりやすさを見る検査なので線より多かったり少なかったりすると変な値になります。
遠心分離に5分、測定に13分かかります
ほかにもトロポニンIやBNPのスピッツなどありますが割愛します。
覚えなければいけないのは
凝固→CBC→血糖→生化学
の順番に分注していくことです。たりなさそうだった場合はCBC、血糖は1ccで構いません。測定できます!