救急外来でよく見る症例:動悸

【症例】 50歳女性

【主訴】 動機

【現病歴】 1時間前から誘引なく心拍数の上昇をみとめた。20分ほどで収まったが心配であったため来院。1ヶ月前にも同じようなことがあった。胸痛はなかった。月経は数カ月に1回。

 

【既往歴】 内服薬 特になし 

家族歴 なし

 

【バイタルサイン】

脈拍 76   BP130/88 SpO2 99 room  体温36.6

 

【身体所見】

甲状腺 腫大なし

心雑音なし

下腿浮腫なし

 

【検査所見】

心電図 洞調律 ST変化などなし

 

【方針】

動悸収まっていたため処方なしで帰宅。日中に甲状腺、更年期障害の検査やホルター心電図などをするように指示

 

【考察】

動悸の鑑別診断では虚血があったかどうかがまず重要となる。

今回の症例では胸痛なく糖尿病などのリスクもなかったため否定的で一過性の頻脈であった。

来院時の心電図は洞調律であったが発作性心房細動の可能性はあり、ホルター心電図を予約。また若年である場合は家族歴や甲状腺疾患の可能性も鑑別しなければならない。

今回の症例では月経がおわりかけの女性であり更年期障害も疑われる。救急外来では検査できないので日中精査の方針となった。

 

じっさいに頻脈中の人がきたら・・・・

まず心電図!Af波形かどうかを確認する。心筋梗塞を疑う状況であれば胸部レントゲンやトロポニンT トロポニンI、CKMBの採血も必要。

胸痛があるかどうかがヒントとなるが糖尿病患者の場合わかりにくいことがある。

 

虚血でなくただの心房細動であった場合

 ワソラン1Aを生食50にとかし15分ほどで点滴。たいていおさまるので内服ワソランを処方で帰宅。おさまらなければ入院でもよい。

 

虚血ではなくただのPSVT出会った場合

 バルサルバ手技を試す。落ち着くことが大事。