点滴を始めるときや側管から抗生剤など他の点滴を開始するときにエアーが入りそうになったりしますよね。患者さんも若干不安に「これ空気入ってない?大丈夫?」と質問されたりします。
あれ、少量なら大丈夫です!
具体的には10ml程度は大丈夫と言われています。
10mlというとあのシリンジ1本分です。結構な量だとおもいませんか。でも大丈夫なのです。死にません。
なぜなら。静脈から入った空気は肺で一度トラップされるからです。
肺につまったら困るじゃん!ではありません。
肺は常に外界とガス交換をしているところなのでエアーが来ても外界に放出されるので大丈夫、ということなんですね。
10mlという数字に具体的な証拠はありません。論文も真剣に探したわけではないですがありませんでした。
だってそんな実験できませんものね?人間の静脈に何mlの空気を挿れると有害事象が起きるか、なんて。
以上の話は静脈での話です。
心カテやIVRなど動脈を穿刺し手技をする際はごく少量であれ絶対に禁忌です。
血管に入ったエアーはどこにも吸収される暇なく全身を駆け巡ります。。。脳につまれば脳梗塞、心臓につまれば心筋梗塞、腎臓につまれば腎梗塞、など重要な臓器が一発でやられます。
心カテ中に空気塞栓を起こし脳梗塞、半身麻痺となることもあります。。。
ということで、静脈からは少量の空気が入っても全く問題ないという話でした。