研修医が覚えるべき経口抗菌薬②

βラクタマーゼ配合ペニシリン系 

・オーグメンチン(アモキシシリン・クラブラン酸)

・ユナシン(アンピシリン・スルバクタム)

 

どちらもペニシリン系とβラクタマーゼを配合しておりペニシリン単独では効かない菌に効くようになっている。

 

具体的には「咬創」に用いる。

 

誤嚥性肺炎の患者さんにユナシンを用いるのはみたことあると思います。

これは口腔内の常在菌をターゲットにしているからです。同じようにヒト、犬、猫などによる咬創も口腔内の常在菌による感染であるのでユナシンをもちいることができます。

 

注意してほしいのは容量。

入院患者に点滴でユナシンを使うとき、1回3gを1日4回点滴したりします(たいてい腎機能がわるいので3g を2回だったりも)

ところが経口の場合は375mgを1日3,4回しか使えないのです。すべて吸収されたとしてもかなりすくない量になってしまうのでここは留意しなければならないです。

 

オーグメンチンの場合も375mg のうちアモキシシリンは250mgしかありません。

この場合、サワシリンを追加しアモキシシリンが1日1.5g相当になるようにするのがいいとされています。

オーグメンチンを倍量にするとクラブラン酸の副作用吐き気も倍加しますのでそれを抑える意味でもオーグメンチン+サワシリンは有用です。

ちなみにこれを「オグサワ療法」といったりもします。

 

誤嚥性肺炎で全身状態落ち着いていて入院をしぶる患者さんには経口でこれらの薬剤を使うのもいいかもしれません。

 

いずれにせよ、口腔内の常在菌による感染が疑われるときに使うといい薬です。