救急やICUでよく使うカテコラミン系の薬剤の希釈方法と速度についてまとめます。
基本すべて末梢から投与可能。
・ノルアドレナリン(1mg=1ml=1A) 昇圧薬。輸液に反応しない敗血症性ショックなどに用いる。
5A=5mg=5mlを生食45mlに溶かす。
50kgで0.05γは1.5ml/h
0.05γから投与開始する。
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa0907118
NEJMの2010年の論文ですが、ショック患者にノルアドレナリンかドーパミンかを使ったRCTで、死亡率には差はなかったがドーパミン使用群では不整脈が優位に多かった。
septic shockに限れば有意差ありでノルアドレナリンの死亡率が低かった
・ドーパミン(カコージン)
200mlに600mg入っている0.3%製剤がある。(カコージン)
少量で心拍出量増加、大容量になると血管収縮作用があります。
腎血管拡張作用も言われていましたが結局心拍出量が増えて利尿に働いているのだと解釈されています。
50kgの人で3γは3ml/h 10γ=10ml/h
です。覚えやすい!。大体5-10γの間でコントロールします。
200mlで200mgの製剤もありますが使いにくいので600mgのほうで覚えましょう
・ペルジピン(ニカルジピン)(10mg=10ml=1A) 降圧薬 Ca拮抗薬。 術後高血圧,脳出血による高血圧。後負荷異常によるうっ血性心不全に使う。脳出血への適応は止血が完了しているかどうかでいろいろ意見がある様子。当院では脳出血へ第一選択としている。
反応性に頻脈になることがある。
5A原液,2~4mL/時でスタート(50 kgで0.66-1.33μg/kg/分)
・ヘルベッサー(ジルチアゼム)(50mg=1V)降圧薬 Ca拮抗薬。心拍数を下げる作用もあるのでワソランの効かない心房細動に対して使うこともある。心拍数と血圧の両方を下げる。
150mg=3Aを合計50mlに溶かす。
50kgだと1γ=1ml/h
最初は15γくらいを10分くらい投与してから5-15γでコントロール。
コントロールが難しい
・シグマート(ニコランジル)(12mg=1V)) 血管拡張薬。特に冠動脈を拡張する。 心筋梗塞を疑うときなど冠動脈が詰まってほしくない時に。
48mg+生食で合計48ml
2mg/h=2ml/h から開始 最大6mg/h
・フェンタニル(0.1mg=2ml=1A) 鎮痛薬
フェンタニル0.5mg 1A=10ml+生食40 ml で合計50ml (0.01 mg/ml)
を2 ml/h程度で開始する。
0.5~10 ml/h程度で調節する.。嘔気に注意が必要。腎不全で減量不要。
フェンタニル(0.1mgで2ml)という製剤もあるので注意
・モルヒネ
0.05 mgを5分かけて静注し,1~5 mg/hで調節する.低血圧,イレウス,掻痒感に注意.作用時間は4~5時間と長い。腎不全の人には蓄積注意。
心筋梗塞などのときには2mgをショットで使ったりもする。
・ドルミカム(ミダゾラム)(10mg=2ml=1A) 鎮静薬
50kgの人で5mgを初回投与。
5A 50mg=10mlを生食40mlに溶かして合計50ml
を1ml/hとかから開始
~10 ml/h程度で調節する.2分で効き半減期は2時間だが,3日以上では遷延しやすい.呼吸抑制,覚醒遷延に注意.腎障害では避ける。蓄積する。
上部下部消化管内視鏡、ブロンコのときなどは2,3,4mgをショットしながら使う。
・ディプリバン(プロポフォール)(500mg=50ml=1V)
50kgの人で10ml=100mgを初期投与
50mlに500mg入っている。
5 ml/h 程度で開始し、5~15 ml/h程度で調節する.血圧低下,細菌汚染,高脂血症,薬価が高く感染のリスクを考え、抜管前まではドルミカムで鎮静をかけることが多い。
細菌感染しやすいのでルートは12時間おきに交換しなければならない。病棟で使うと看護師さんへの評判が悪い
・プレセデックス(デクスメデトミジン)(200ug=2ml=1V)
プレセデックス 200μgを生食48mlに溶かして50ml。
0.2-0.7μg/kg/時は50kgで2.5ml/h-8.8ml/h
呼吸抑制が少ないのが特徴。初期投与量を10分投与した後に維持量へ減量
メーカーホームページに体重別の投与量がある。
・ドブタミン(ドブトレックス)DOB(100mg=5ml=1V)
3A+生食35ml =合計50ml 50kgのひとで1.5ml/hが3γ
3ガンマで使用する
・ハンプ 1000μg/V
1Vをブドウ糖5mlで溶かしたうえで生食43mlに混ぜて48mlに
2ml/hで1日1V使うペース。あまり増やすイメージはない。増やしても一日2V
0.0125〜0.025γで開始
・オノアクト
心房細動でワソランをつかってもヘルベッサーを使ってもHRが落ちないときの私的な最終手段
半減期が短くメインテートやアーチストに移行する前の急性期に使う(心筋梗塞後の心不全+心房細動)
50mg(粉)を生食50mlに溶かして
50kgの人で1γは3ml/h
10ガンマまで増量可能
↓定番の本
↓最初の1冊に。症例提示しながらなのでわかりやすいが量はすくない
↓改定されてちょっとわかりやすくなったが内容は薄め
↓この本はおすすめ
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