令和5年度最新版:医師国保、国民健康保険、任意継続どれが得なのか

医療

医師だけが入れる健康保険制度として医師国保というものがあります。主に小規模の開業医や大学院生にとって有用な保険でしたが、最近は状況が変わってきています。医師国保も赤字で保険料が上がってきているのです。

今まで勤務医だった方には任意継続というものも選択肢にありますが保険料が2倍になり、延長期間も2年が限界なのであまりお得にならない印象です。

どちらが得なのか、家族構成で変わるので検討してみます。介護保険は考慮しません。39歳以下のシミュレーションです。

1人暮らしの場合

大阪府医師国保では年間36200×12=43.44万円です。これに医師会費が年間1万円くらいかかります。

国民健康保険はこちらから計算します

保険料の決め方
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所得が360万円で医師国保と同じくらいの金額になります。これは給与所得控除後の金額なので、額面で言うと500万円で医師国保と同じになりました。

参考URL:No.1410 給与所得控除

No.1410 給与所得控除|国税庁

結論:一人暮らし年収500万円以下なら国民健康保険。それ以上なら医師国保

2人暮らしの場合

医師国保の場合51200×12=61.44万円です。

国民健康保険の場合、配偶者が無職なら所得480万円になります。

額面にすると650万円に相当します。

結論:二人暮らし年収650万円以下なら国民健康保険。それ以上なら医師国保

3人暮らしの場合

医師国保なら66200×12=79.44万円です。

国民健康保険なら所得640万円で同じくらいになります。額面では840万円です。

結論:3人暮らし年収840万円以下なら国民健康保険。それ以上なら医師国保

4人暮らしの場合

医師国保なら81200×12=97.44万円です。

国民健康保険は上限が87万円なので、この時点でどんな年収でも国民健康保険が得ということになりました。

結論:4人家族以上なら迷わず国民健康保険

注意点がいろいろあります。

医師国保は自家診療ができません。身内に自分で処方することが禁じられています。バイトで1回だけ働いた病院でもそれはだめと言われましたが、本当なんでしょうか?処方医まで確認することはやろうと思えばできるとおもうのですが、労力に合わないはずです。

良い点としては、医師国保には扶養という概念がありません。配偶者が普通に働いていてもこの保険に家族として加入することができ、保険料が節約できる家庭もあるかもしれません。

任意継続でもこれらの最安になる可能性はあります。いままで払っていた保険料が安く、大学院生になって逆に収入が増える場合などです。

大学院生はよく考えて保険を選択してください。これから入学する人は年収がいくらくらいになるのか、まだわからない人もいるとおもいます。先輩方もなにもわからずに任意継続していたりしますので、家族構成をしっかり把握してシミュレーションをすることが大事です。4年間の大学院生活で家族構成も変わることがあるでしょう。とりあえず多く稼げるなら医師国保にしておくのが無難です。

でも値上げってひどいですよね。値上げされたのは75歳以下の会員だけなんですよ?一番使っているであろう75歳以上は値上げ無しで5000円という破格の値段で保険を享受することができます。ここでもシルバーデモクラシーが進んでいるんですね。

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