前十字靭帯断裂を保存療法で治す!

医療

衝撃的な論文がでました!保存療法が無効とされていたACL損傷を膝屈曲位で4週ギプス固定することで保存療法できたという論文です。

Healing of acute anterior cruciate ligament rupture on MRI and outcomes following non-surgical management with the Cross Bracing Protocol - PubMed
After management of acute ACL rupture with the CBP, 90% of patients had evidence of healing on 3-mon...

インパクトファクターも13点あるようなそこそこいい雑誌ですね。

対象は18人で平均26歳
受傷後4週間は90°屈曲位でギプス固定
5週:ヒンジ付き装具装着 徐々に可動域を増加
10週:装具の可動域制限なし
12週:装具除去

このような治療で治癒率3ヵ月で90% 緩みなし
スポーツ復帰率:12ヵ月で92%となりました。

これはなかなか衝撃です。手術しても成績不良で関節鏡を用いた膝蓋腱を用いた再建などさまざまな工夫がなされてしのぎを削っていた分野だけに、これで治ってしまったらいままでの努力はなんなんだろうという気がします。

そもそもACLは屈曲時に緩んでいるはずで、この状態で固定してちゃんと機能するのか、まぁそのあたりの長期成績がまだ不明です。

しかも4週間屈曲位固定はなかなかしんどそう・・・

こういうのはおそらくマウスかラットかもっと大きな動物かもしれませんが、動物レベルで機能するという結果がでたから人間でやったはずで、それがなかったら倫理委員会も通らないはずですがどうしたんでしょうか。

医学の分野ってたまーにこういうブレークスルーがあるのがすごいですよね。いままでそんなの絶対無理だろって言われてたことができるようになってしまう。急性前骨髄球性白血病だってそうでした。突然中国の怪しい治療が世界的に認められるようになったり、そうやって100年後1000年後は人体がどうなってしまうのか、怖い気持ちもあり期待する部分もあります。

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