添付文書の記載と薬剤使用に関する注意義務
概要】
顔面神経減圧術を受けた患者(本件当時47歳女性)が硬膜外血腫を生じた後,小脳梗塞を発症し術後15日
目に死亡した。
患者遺族は,手術を行った病院の運営主体である医療法人に対し,硬膜外血腫の際に頭蓋内圧を下げるための高張減圧剤を使用しなかった等と主張して,損害賠償を求める訴訟を提起した。医療法人は,当該薬剤の添付文書上,硬膜外血腫が疑われる場合の使用は「禁忌」とされている等と反論したが,裁判所はこの主張を排斥し,医療法人の損害賠償責任を認めた
https://www.medicalonline.jp/pdf?file=hanrei_201503_01.pdf
本文はこちらから。
まぁいろいろ起こっている事件ですがこの点だけが争点になっているのが不可解です。添付文章上禁忌となっていても教科書で使用が考慮される、と記載があるだけで敗訴。もちろん保険適応でもないようですので使ったら病院持ち出し。
これで病院が負けてしまうのは今後にも悪影響がでかねません。。。
がこれを読み込んでいくとまぁ一応納得できる理由は書いてあります。
なるほど確かに頭蓋内血腫が否定されていない状況でつかうのは禁忌だが、今回はそれが否定されているから禁忌ではないというわけですね。むしろここに穴があるからこれを指摘するしかない!と弁護士が頑張ったのでしょうか。
まぁでもこれで病院が負けたら本当にやってられません。わずかなタイミングの差でそうなった可能性もあるわけです。緊急手術なわけでその準備などに手を取られていたら絶対に必要な薬ではないのでオーダーもすることもないでしょう。
血圧上昇させる薬剤投与遅れ死亡 神戸徳洲会病院が新たに医療過誤1件 謝罪、賠償を検討
新たに過誤と認めたのは、今年1月に90代男性が心肺停止状態で搬送され、血圧を上昇させる薬剤の追加投与が遅れて死亡した事例。病院側は「死期を早めたことは間違いなく、過失があったと判断した」とした。遺族に謝罪し、賠償を検討しているという。
これも遅れたといえば遅れた部類には入るのでしょうが、追加したからって転機を改善させたはずもないであろう症例で賠償してしまうのはどうかと思います。
これで医療従事者の給料が下がってしまうと本当にやりきれません。どうか裁判官、弁護士は医療を勉強してください。
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