おカネ持ちだけが介護を受けられる未来

医療

訪問介護の基本報酬の引き下げ おカネ持ちだけが介護を受けられる未来

 政府は訪問介護の基本報酬を引き下げました。政府は引き下げの理由を、訪問介護の利益率が高いから、と説明しています。

利益率が高いのは、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)の訪問介護です。一軒一軒訪問する在宅ヘルパーより、集中しているサ高住のヘルパーのほうが利益率が高いのは当然です。  サ高住に入っているヘルパーに聞くと、「楽です」と言います。在宅ヘルパーは雨が降っても雪が降っても一つ一つ家を回らなければなりませんが、サ高住は屋内を回ればよいからです。

 実際には在宅よりもサ住高のほうが介護保険を使っているので、政府は締め付けを強めています。その結果、実態としてはサ高住の人たちは保険外のサービスを利用することが増えています。 しかし、保険外のサービスを利用できるのは高所得の人だけです。多くの人は介護保険内での利用料支払いで精いっぱいです。

前にも書きましたがすでに介護職の給与は吉野家に負けています。これ以上日本の貴重な労働力が生産性のない産業にとられるわけにはいかないのでしょう。政府はギリギリまでここを締め付けてくると思います。そもそも在宅介護なんていうのは贅沢品なのです。なぜ自宅で一人で生活できない人が税金で誰かを呼びつけてそこで生活できるのか。そんなことは貴族にしかできないことなのです。それを全員に保証しようとしているのが日本です。なんとしてでも費用は低く抑えなければいけません。

最低限のみを保証して追加分は自己負担で、というのは賛成です。ですが医療はなぜか全員最高のものを!となっているのは不思議ですね。

仮に介護も医療も最低限しか保証しなくなった場合、皆大規模集約施設に入ることになってそこで最低限の集約化された定型的な治療介護しかしてもらえないようになるでしょう。そうなると日本中に空き家が増えて治安悪化するのは目に見えています。でもそうでもしないと若者の負担はもう限界です。

今ようやく資本主義の力で吉野家の時給が政府が決めた産業である介護を追い抜きました。この調子で全産業が医療介護を追い越してくれると日本はまた復活するのでしょうか?逆に悲惨な未来となる可能性も?これは誰にもわかりません。とにかく自分の身は自分で守るしかないのです。

コメント