コロナ感染で90歳の男性死亡、遺族が高齢者施設を提訴…「速やかにPCR検査しなかった」
広島市安佐南区の高齢者施設で2022年8月、基礎疾患がある男性(当時90歳)が入所するフロアで新型コロナウイルスが発生した後、家族が希望したPCR検査を行わないといった過失があり、早期発見・治療につなげられずコロナ感染で死亡させたとして、男性の家族が施設に関連する会社と医療法人を相手取り、約1800万円の損害賠償を求めて広島地裁に提訴したことがわかった。9月27日付。訴状などによると、男性は22年4月に間質性肺炎と診断された。同7月に施設に入所し、介護を受けていた。同8月6日に男性が入所する8階で、別の入所者がコロナに感染したことがわかった。コロナ発生の報告を受けた男性の家族はPCR検査などを求めたが、速やかに行われなかった。
普通に考えるとこれで訴訟になるのはおかしいですが、そうなってしまったのは結局施設と家族の関係が悪かったのでしょうね。
そしてこの訴訟も結局和解するでしょう。同じ施設の他の人がコロナになったからと言ってすべての人に検査をするかを家族の希望で判断するわけにはいきません。熱心にみていたというなら自分たちが患者を外に運び出して検査を受けさせればよかったのです。それも検査するかどうかは医師の裁量次第ですけど。
素人が後出しじゃんけんであのとき検査すればよかったというのは自由ですがそれを裁判で認めてはならないと思います。保険診療であれば検査するかどうかは医師の判断でありそこまでアクセスさせるのは患者家族が希望するなら患者家族の責任でしょう。施設職員は希望があれば少ない人を割いて立とうかどうかわからない検査をするために駆り出されることになってしまうのはおかしいです。
これが認められてしまうと、家族「認知症の検査をして治療を受けさせてほしい」というだけで施設に責任を負わすことができてしまいます。もし希望するなら家族が施設から連れて行くべきですよね。
でもそうすると緊急事態のときどうするかが問題です。頭を打って嘔吐している、意識がないといった場合は?救急車は必ず同乗者が必要です。そのときはまあ施設職員が乗っていくしかありません。
問題は頭を打って症状はないといった場合でしょう。おそらく施設は家族に電話連絡して「症状はないので様子を見ます。心配なら病院に連れて行ってもいいですが家族が連れて行ってください」ということはできるでしょうが、それで万が一1週間たって慢性硬膜下血腫だったことが判明した、なんてときは面倒なことになりそうです。
結局この問題は家族に権利を与えすぎていることが問題です。保険を使って施設に入っているなら多少のことがあっても了承しろと国が言わなければなりません。でもそうはならないんでしょうね。
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